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山崎ビロードのベルベットマジック ロマンティック素材最前線(1)

1997.08.20

gap JAPAN 1997 7・8合併号
ベルベットロマンで秋を決める
 97縲鰀98年秋冬は、ロマンティシズムの秋草が一斉に花咲き乱れる季節になった。オーガンジー、シフォンなど一切の透け素材は、繊維な花びらのように体を覆い、あるとあらゆるレースがそれに共鳴した。さまざまな刺繍がそれぞれのテクニックを競い、フロッキー加工、発泡加工などの樹脂加工やオパール加工などの装飾技法は、久々に復活した染料プリントに並んで、テキスタイルをキャンパスに見立てて、奔放な図柄を描き上げている。
 しかし消費マーケットは秋まで待たなかった。初夏から盛夏にかけて、ロマンティシズムの数々はすでに街にリゾートに溢れ、早くも秋祭りに入ったかのようだった。こうも早くロマンティシズムが爆発することは、業界にとって嬉しさとともに、秋に行方に一抹の不安を感じさせるものでもあった。
 それでは、秋冬ならではのロマンティック素材とは何か。そこで一斉に注目したのが、秋のベルベットと冬のロマンティックツィードだった。特にベルベットは、遠く南蛮渡来のイメージを今なお潰す、浪漫織物の大定番といっていい。
 歴史が永いだけあって、同じベルベットにもさまざまな表情があるが、コンテンポラリーなデザイン体質で、デザイナーブランドの人気を呼んでいるのは、何といっても福井県今立の山崎ビロードがイチ押しだろう。90年代に入ってからの同社デザインの流のなかに、現代ロマンティシズムの表現を探ってみる。



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